こんにちは、元整備士で毎日固いネジとの闘いを繰り広げていた林です!
今日は、整備初心者の方が一番困ってしまう、固くなってしまったバイクのネジ・ナット・ボルトの取り外し方を紹介したいと思います。
固いネジを無理やり回してしまって、ネジを壊してしまうと普通にネジを回すよりも倍の労力が必要になるので、是非この記事を見て予習していただきたいと思います。
なぜネジが硬くまわらなくなってしまうのか、
原因としては、大きく分けて5つあります。
ネジロック剤が塗られている
ネジが簡単に緩まないようにネジロック剤という物があります。
ネジロック剤は、ネジ山と谷の間に入り込んで隙間を接着剤のように固めることによりネジを緩みにくくします。
なのでネジロック剤がついているとネジが硬く外れにくくなってしまいます。
ネジロック剤がついているかは、外してみて外したネジ山かネジ穴に色が付いたものが付着しているとネジロック剤がついていたと考えられます。
締め付けの力がもともと大きい
足回りや、バイクのフレーム部分などに使われてるネジは、サイズが大きく締め付けの力が大きい物があります。
自分は、非力なのでよく「ネジが固着している」と四苦八苦してる間に力のある先輩がいとも簡単に外していたのを
覚えています!
前回作業時にきつく締めてしまった。
素人整備でありがちですが、前回作業時になにも考えずにトルクレンチを使用せずに締め付けてしまったために
とても強い力で締まってしまい次回外そうとした時に外れなくなってしまうことがあります。
とても強い力で締めてしまうのは、ネジにも良くないのでやめましょう!
ネジ山がつぶれている
前回の作業時にネジ山やネジ穴にサビや、異物が入ったまま締め込んでしまうとネジ山がつぶれて外す時に外れなくなってしまいます。
特徴としては、緩んだあとに急にネジが硬くなったり。
そもそもネジが硬くて回らなくなってしまっていることがあります。
こうなってしまうとネジを破壊するしかないので素直に整備工場に持っていくかドリルなどを使って切削しなければいけません。
自信のない方は、やめておいた方が良いです。
ネジの山部分が錆びて固着してしまった。
長期間外においてあるバイクや、マフラーのように高温になってしまう部分のネジは、錆びてしまっていることが
多いです。
サビてしまうと先ほど紹介したネジロック剤のように、ネジ山と谷の間に入り込んで隙間にサビが発生してしまい
ネジ山とネジの谷を固着させて外れにくくしてしまいます。
今回は、こちらのケースをメインに扱って固くなったネジの外し方を紹介したいと思います。
注意
ここからは、実際に取り外す作業になります。
固いネジを無理矢理外そうとすると高い確率でネジが使用できなくなってしまいます。
少しでも自分の作業に限界を感じたら整備工場などに作業をお願いした方が良いです。
必要工具紹介
潤滑剤
潤滑剤を吹き込むことによって、錆びているネジのネジ山とネジの谷に入り込んで固着を解消してくれる物になります。
潤滑剤は、ネジ山とネジの谷に入り込ませないと意味がないのでネジの頭の端からネジの穴に流し込むようにして入れましょう。
その後は、潤滑剤が染み込むまで時間を置きます。
僕が錆びているネジを外す際には、作業をする前日に一度潤滑剤を吹き込んでネジが外れやすいようにして置きます。
5-56は、近所のホームセンターなどでも比較的簡単に入手でき、安価で量も沢山入っているのでそこまで重度の錆びでなければ十分に対応できると思います。
こちらは、業務用と書かれている通り整備士などが整備に使用する潤滑剤となっております。
55-6よりも高価なのでどうしても緩まない場合などには、こちらを使用しましょう!
ソケットレンチ
潤滑剤を使用することによって多少緩めやすくなっていますが、錆びているネジは固く締まっています。
ソケットレンチが入らないような場所ではメガネレンチを使用することもあります。
ですがソケットレンチを使用することで、長い柄の長いスピーナーハンドルと組み合わせて少ない力で固く締まっているネジを外すことができます。
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長いスピーナーハンドル
スピーナーハンドルとは、ソケットレンチを取り付けて使用する工具です。
役割としては、ソケットレンチに回すための柄を付けるための工具になります。
このスピーナーハンドルが長ければ長いほどてこの原理が働いて少ない力で固く締まっているネジを外すことができます。
ただ緩んだ時には、、スピーナーハンドルからラチェットレンチに交換するとこで早くネジを緩めることができます。
こちらが差込角 9.5(3/8)のスピーナーハンドルです。
こちらが差込角 12.7(1/2)のスピーナーハンドルです。
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プラスチックハンマー
プラスチックハンマーとは、叩く面がプラスチックになって叩いた物が傷つきにくくなっているものです。
どうしても外れない時にハンマーなで叩くと衝撃が伝わり少しずつですが潤滑剤が染み込むことがあります。
緩めるために使用することは、ないですが他の叩く作業でもしようすることがあるので買って損はないです。
実作業
潤滑剤を吹く
まずは、潤滑剤を吹き込みましょう。
潤滑剤を吹き付けてすぐに回してもネジの中に浸透していないので潤滑剤の効果が表れにくいです。
どうしてもすぐに錆びたネジに潤滑したい方は、少し高いですがこちらの商品を使うことによって部品同士を冷却して隙間を作り潤滑を促進してくれるものもあります。
通常の潤滑材の場合には、時間が経ってから緩めるようにしましょう。
緩める方向を確認
緩める際にもネジが締まる方向をしっかりと確認します。
たまに締める方向が逆になっている逆ネジという物があるので緩まないと思った時点でサービスマニュアルやインターネットなどでしっかりと調べましょう。
緩める方向を間違えるとネジを壊してしまう結果になります。
緩める時は、一気に力を入れる
一度錆びているネジを外したことのある方ならわかると思いますが、じっくりと力を入れるよりも瞬発的に力を入れた方が外れやすいです。
ただし力を入れることに専念し過ぎてソケットがネジから外れてしまっては、ネジの頭を壊してしまうのでソケットをしっかりとネジに押し付けて力を入れるようにしましょう。
本当に固いネジの場合には、ソケットを抑える人と緩める人の二人がかりで行うのもようでしょう!\
緩まない場合には、一度緩めるのをやめる
緩まない場合にそのまま力を入れ続けてしまうとネジの頭だけがねじれてしまい結果としてネジの頭が壊れてしまうことがあります。
なので緩まない場合には、一度力を抜いて再度潤滑剤を吹いたいり、プラスチックハンマーで衝撃を加えて潤滑剤を染み込ませる作業をしましょう。
潤滑剤が浸透するまで休憩しても良いと思います。
ここまで作業したら
あとは、同じことの繰り返しでネジが緩むまで頑張るしかないです。
途中で気が抜けてしまうとネジの頭を壊してしまうことがあるので休憩を入れながらゆっくりと行いましょう
ネジが緩んだ場合
運よくネジが緩んだ場合、そのまま緩めたくなるところですが緩めてはいけません。
内部には、サビが発生していてそのまま緩めてしまうとネジ山が錆びでつぶれてしまいます。
少し緩めたら少し締める、少し緩めたら少し締めるを繰り返して緩めていきましょう。
この時に再度潤滑剤を吹きつけると尚良いでしょう。
ネジが取れた後
ネジが取れた後には、しっかりとネジとネジ穴を清掃しましょう。
サビが着いたままだと次回取り外す時に、ネジ山がつぶれてしまったりまた固着する恐れがあります。
固着しないようにするためにもしっかりとネジとネジ穴を清掃しましょう。
特殊なネジの場合は、一つずつ購入しなければいけませんが、一つずつ購入すると単価が高いので自分の使用するサイズがセット内にあるのならセット品を購入した方が安く手に入ります。
ネジの頭が壊れてしまった場合
運悪くネジのが頭が壊れてしまった場合には、こちらの記事に状況に合わせた対応法が書いています。
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是非参考にしてください。
まとめ
この記事を見ていただいたことでネジが外れた方が居れば幸いです!! おめでとうございます!!
今後も錆びたネジが沢山表れてくると思いますが根気よく横着をせずに外していきましょう!!
基本的には、このような方法で外すしかないですが今後は横着した外し方も紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
どうしても外れないネジがあるときは、素直にプロの整備士に作業をお願いしましょう。
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